テープヘッドについて 【自作テープ録音】
大した知識もないので磁気ヘッドのメカニズムはリンク先をご覧ください(´ω`;)。自作テープルーパーのデモ動画はこちらから。
テープヘッドの入手
テープヘッドは単体の新品は売ってないので入手するには製品の部品取りか新古品を探すかになります。新品のカセットレコーダーやラジカセはまだ売られてるので生産はしてるんでしょうけど、個人に販売しているところは見当たりません。
ヤフオクでジャンクのカセットテープレコーダーから部品取りするのが現実的かなと。テープ機器は壊れやすいのでジャンク品が多くあまり売れないので余裕です。ハードオフとかジャンク屋さんで探すのもいいかも。
2019-10-02追記 : Aliexpressでテープヘッドが売ってました
久しぶりに検索してみたらAliexpressで新品・単体でコンパクトカセット用のテープヘッドが売ってました。この記事書いた頃にはテープヘッドが売ってる店は見当たらなかったので割と最近取り扱ったんじゃないかなと思います。Keeping improving E-commerce StoreとShenzhen NingSheng International Trading Co., Ltd. Storeのショップに数種類あります。▼4chのこれが割とお得かな。
2chモノラルもあるけどレアなのか高い。1chのモノラルは100円台からありますね。個人的にはDC抵抗値が190Ωと低めの背が高い4chヘッドが欲しいです。購入したら追記するかも。ただAliexpressにしては送料が高め。しかも別の種類のテープヘッドを買ってもそれぞれ送料かかるみたいなので気軽に試せないのは残念だなぁ。
ヘッドのタイプに注意
家庭用の電源で使う割と高価なテープレコーダーは録音ヘッドと再生ヘッドが別になってたりします。録音と再生では最適値が違うのでうまくやれば専用ヘッドのほうが高音質になりますが、個人的に分かれてるヘッドはいろいろ複雑になってしまうので避けてます。
ポータブルレコーダーのヘッド
部品取りする製品はポータブルのカセットレコーダーに絞ってジャンク漁りしました。録音/再生が共用の磁気ヘッドなのは確定してるし、ジャンクの数が多くて入手も簡単なので。音質にこだわりはありませんし。
ポータブルのレコーダーから部品取りした磁気ヘッドをいくつか載せておきます。
ステレオのリバース対応の4ch
モノラルのリバース対応の2ch
ステレオの2ch
モノラルの1ch
リバース対応のレコーダーはA面B面入れ替えなくても逆に回せるようになってるもので、両側にヘッドがついてます。左右両方にガイドが付いてるのも特徴ですかね。
チャンネル(トラック数)
チャンネルは一本のテープに録音できるトラック数になります。カセット用は4chが最大。ステレオのリバース対応のレコーダーは4chなので4トラックの多重録音ができます。4chのヘッドは画像のようなプラスチックのガイドが付いた似た作りのものが多いので同じメーカーかも。
2chは2パターンあって、ただのステレオ(片側のみ)とモノラルのリバース対応(両側)があります。1chのモノラルは片側のものしか見たことがありません。全面の1chのヘッド欲しいんですけどね。レアかな?
磁気ヘッドの配線
磁気ヘッドの下の画像のように各チャンネルのGNDが共通になってることが多いです。
回路とつなぐ配線はシールドケーブルが必須です。再生の電流は微弱でモロに電磁ノイズの影響を受けてしまうので。アミアミで囲まれてる線をGNDにしてノイズを逃してやります。4chなら5極のシールドケーブルが必要ですね。線が多いシールドケーブルのはあまり売ってないのでRCAケーブルをバラして作っちゃうのもありかな。
同じ理由のノイズ対策で外側の金属のケースもGNDにつなげたほうがいいので、テスターでGNDとショートしてなければ強引にでもケースにハンダ付けしたほうがいいと思う。
摩耗やサビに注意
磁気ヘッドはほぼ金属ですしメッキ加工されてるので古くてもたいてい問題なく使えますが、摩耗してたり錆びてることもあります。特にネット販売だと確認しずらいので多めに買っておくもの手かなと。
▼モノラルのヘッドが摩耗してました。磨り減ってテープの幅の溝ができてます。
磁気ヘッドの機能
磁気ヘッドは狭い隙間(ギャップ)のあるリング状のコア材にエナメル線を巻いたような構造で、一種の電磁石です。録音時には音声信号の電流で磁界を発生させてテープ(磁性体)を磁化させて、再生時には磁化されたテープの音声信号を電流に変えて音に戻します。
磁気記録の発展を支えたフェライト (TDK Techno Magazin)
磁束をつくるギャップはマクロレンズでも撮っても確認できないほど狭い隙間。ギャップの長さとテープの走行速度は記録できる周波数帯に関係していて、ギャップが狭くテープが速いほど高密度に録音できるようです。
磁気ヘッドの詳しい構造
磁気ヘッドのメーカーだったNortronicsのサイトに原理や構造の詳細な情報があります。
TAPE HEADS An Introduction by John French (JRF Magnetic Sciences)
この図を見ると量産された製品で使われてる磁気ヘッドのコア材は断層みたいになって少しズレてるので、ほぼメタルヘッドコアですね。フェライトコアは古そう。
磁気ヘッドの資料
Nortronics製の磁気ヘッドの資料(PDF)がダウンロードできます。プロ用が多いですがカセットテープ用はNortronics Magnetic Head Specificationsのpage-2あたり。親のリンクはまとまったPDFになってます。http://www.jrfmagnetics.com/JRF_nortronics.html
インピーダンス、インダクタンス、ギャップスペーサーやらほかいろいろと載ってます。とくに録音時のACバイアスの電流値なんかは貴重な情報じゃないでしょうか。
録音と再生では最適値が違う
一般に普及してるカセットテープ機器は録音と再生は同じヘッドで行うことが多いですが、録音と再生ではギャップやインダクタンスの最適値が違うらしくプロ用では専用のヘッドが使われてます。共用ヘッドは両方の値の中間ぐらいにしてる模様。
消去ヘッドは必要?
これはやってみてわかったことですが、消去は録音・再生ヘッドでもできるので消去ヘッドは必須ではないです。ACバイアス方式の録音なら前の音と混ざることはなくて上書きみたいに録音されたので、いまいち消去ヘッドが存在する意味がわかりません。
デモ動画のテープルーパーで録音・再生・消去をやってますが、消去ヘッドは使ってませんし、録音の前に消去する必要もないです。DCバイアスでは必要なのかもしれません。
最後に
磁気ヘッドについてはまだ足りない気がするので、また何か発見があれば追記します。
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